LYRIC


メルセデスの懺悔 / ぐちり


雨が止まない 雲間は見えない

誰か私の胸を撃ってくれないか


日陰に咲いてた青い花 踏み潰せば色が変わるのかい?

誰も見ちゃいないなら構わない やってみればいいさ わかるだろう


彼の触れた花びらは紅く 染まりきっていた


どうしようもない 取り返しなどつかない 動くことすらままならない

何も出来ない ただ見ているしかない 己の無力さを呪うだけ

ふと気づいたらここは見知らない天井 誰かがそっと呟いた

「貴女方はここで救済されるのです」 笑う少年の目に光は無い


誰もいない 誰もいない 私に赦しを与える者なんていない

誰もいない 誰もいない 私に慈悲を与える者なんていない

誰もいない 誰もいない 私を救ってくれる者なんていない

誰もいない 誰もいない 私を殺してくれる者なんていない


雨が止まない 雲間は見えない

誰か私を殺してはくれないか


どうしようもない 取り返しなどつかない 時は決して戻りはしない

何も出来なかった私のすべきこと 贖罪のためにただ祈ろう

あなたの為ならば命も惜しくはない 何も無いこんな私に

生き続けていく意味を教えてくれた ならば盾となり矛になろう


祈りを 祈りを 祈りを

赦しを 赦しを 赦しを

絶望も 後悔も 全て吐き出して


あなたの元へ


さめない / manika


君と僕の右脳

誰よりも男達の面倒事

良い差分

時と金の向こう

今よりも大層嘘の誘導モード


明日も上着は脱げない

冷たい雨に打たれたい

もう一度姿見せて

置き去りにしないでよ

声が聞きたい

此処に居れば会える気がした

これが夢でも迎えに来てよ


飴と鞭の苦悩

あの世までボート

闇夜に衝動

どうだろう?

部屋の春と無能

汗と煙草匂う

寧ろ何を思う?


明日も上着は脱げない

冷たい雨に打たれたい

もう一度姿見せて

置き去りにしないでよ

声が聞きたい

此処に居れば会える気がした

蝿が集ってる私の愛を


ノアノア / いよわ


ずっとずっとむかし

人は遠く生きやすい場所目指して歩いた

化石になっても同じような

いつも通りの暮らしを幸せと呼びながら

ずっとずっとここで

知らない 見たことないような

知識やら歴史のカケラ 探していました

未来の種を消さないように

壊れない 壊さないように大事に守りながら

役目を果たすまで見つけた全てをこれから

宇宙の果てまで持っていこう


行けよノアーズアーク ずっとこのまま

氷漬けの寂しい絶望が朽ち果てるまで

行けよノアーズアーク ずっとこのままさ

わたしもどうか

本の中の海が見たいわ

とびきりのオシャレがしたいわ

一人思ったところで叶うわけないんだけど

引きずり続けた悲しいお別れを繋ぐため

うまれてきたから


ずっとずっとわたし

ここにいるって教えたい でも独りぼっちだ

最後の記憶も褪せないように

ひとつづつ ひとつづつ

丁寧に綴っていくのです

ずっとずっとここで

知らない 見たことないような

知識やら歴史のカケラ 探すようになったのは

皆のおかげよ 消さないように

壊れない 壊さないように

託す日は鼻の先まで


わたしも結局はあなたに押し付けただけ

この旅がいつまで続くかも分かんないや

神様がわたしに残したロスタイムのぶん

あなたが独りぼっちにならぬように

ここにいるよ

おやすみ さよなら


行けよノアーズアーク ずっとこのまま

氷漬けの寂しい絶望は吹き飛ばしていけ

行けよノアーズアーク ずっとこのままさ

わたしも わたしはどうか

本の中の海が見たくて

とびきりのオシャレがしたいような

明日を生きるあなたが寂しくないことを

祈ってるよ ノア


アンチクロノス / メドミア


動き出した暗がりに照明が一つ

不思議な森の中で

そっとあなたは呟いた

全て忘れて逃げ出そう

二人だけ音も無く最後の夜が来る


高く聳えた塔の上

夜陰に紛れる蝶の群

心惹かれ目を合わせれば

そのまま時間が止まる


あっという間の永遠は

恐ろしく 美しく

永く果てない一瞬は月の光に呑まれて

ただただ輝いてどこかへと消えて行く

いかないで このままで

目に映ったあなただけが私を生かすの


もう戻らない壊れたままの時計

そう信じきって見えない振りをして

使い捨てられた檻の中で


長い針を握りしめ痛いほどに叫んだなら

願いが届き空は光り時間が巻き戻った


あなたを見つけた 手を伸ばし引き寄せる

この一瞬の幸福が見せかけだって構わない

ただただその顔は痛ましく麗しく

最後には愛を告げ笑って

あなたをここで


終るヨルに / 由末イリ


"さよなら"なんて

言わないで

今はまだ 泣きたくない

お互い様だよ

「怖くないの?」

明日のことばっか妄想して


大嫌いで

大嫌いで

大嫌いだった!!

「君とはもう目を合わせることも無いだろう」

って泣いて


つまらないね 多分

君のいない世界

狭いけどアイスは美味い

何も変わらない きっと

くだらない日々が

廻るだけだ

曖昧な居場所は何故

廃材になって溶けていくの

代替は何処にもない

再生可世界ではないから


"さよなら"なんて

言えないよ

いつかまた 手に触れたい

お互い様だよ

「冷たいなぁ」

夢語りばっか回想して


"さよなら"なんて

言う刻が

あるのなら ただ話したい

お互い様だよ

「君が嫌い」

嘘ばかり口を衝いて出るの


美しくもない残骸の隙間で

見上げた月が何れ程美しいのかなんてさ

目を伏せたまま生きてきた

君が唯一の光だった

終わり駆けた街の隅で

唯一の居場所だった


「月が綺麗だ」


「月が綺麗だったんだ」


つまらないね 多分

君のいない世界

狭いけどアイスは美味い

何も変わらない きっと

くだらない日々が

廻るだけだ

曖昧な居場所は何故

廃材になって溶けていくの

代替は何処にもない

再生可世界ではないから


草々不一 / テラ


前略


明日になったら人生が変わってたらいいねって

笑いあってた時のことをふと思い出したんだ

あの言葉の本当の意味がわかったのはつい昨日のこと

君が死んだあの瞬間のこと


最近はよく嫌な夢を見るんだ

絶交したあいつと談笑する夢

昔好きだったあの子に嫌われる夢

馬鹿にしていたあいつが幸せそうに笑って暮らしている夢

そして、君が死ぬ夢


高架下で語り合った理想や希望とかそういう類は

蹴られた空き缶の如く消息を絶って腐敗するばかりだ

「今となっては」なんて言い訳にしかならないから深く呑み込んだ

思い出っていう陳腐なもので君を表したくはなかった


書ききれないほどの声を僕に押し付けて託したくせに

君は僕の「ありがとう」さえも受け取ろうとはしなかった

そんなに僕のことが嫌いかい わざわざ夢にまで出てきて

僕の目の前で死のうとするんだもんな


君が消える瞬間は悪い冗談にしか思えなくて

「お前は必要とされてない」神様がそう言った気がして

ふざけんなって空を睨んだ

声が霞んでしまったって僕は君の手を離せないまま

「大丈夫だよ」って無責任な言葉だけは君から吹き出る血液みたいに溢れた

返事はなかった


「花束はもういらない」って 言われたって僕は知らないよ

人の気持ち分からない僕に幽霊の気持ちなんて分かるはずがない


最近はよく気味の悪い君の悪い姿を思い出すんだ

零れ出る腑、一面が真っ赤に染まる夕立の傘下

まるで土が泥になっていくみたいに僕の視界も泥濘んで

君の歪んだ体躯さえ更に歪んで見えた


この街に雨が降るたびに足元を奪われるような気がして

奪われた先が君の元ならば本望だと笑ってる日々を

君が知ったら怒るだろうね そんなこと考えないでって

今は赦して


君が笑った瞬間は時が止まるように美しくて

「このままずっと時間が止まったままならいいね」

冗談のつもりだったのに真に受けるなよ

声が聞こえなくなったって僕は君の言葉零さないよ

「大丈夫だよ」って祈りの言葉はもののみごとに打ち砕かれた

返事はいらないよ


明日になったら人生が変わってたらいいねって

笑いあってた時のことをふと思い出したんだ

あの言葉の本当の意味がわかってからもう何年が経つだろう

僕はまだ生きてる


君が消える瞬間は悪い冗談にしか思えなくて

冗談なら良かったのに


君が生きている瞬間が僕にとっての全てだったんだ

「大丈夫だよ」ってこんな僕にも言ってくれた君のことが好きだった

そうだ 大好きだった


最近はよく嫌な夢を見るんだ

絶交したあいつと談笑する夢

昔好きだったあの子に嫌われる夢

馬鹿にしていたあいつが幸せそうに笑って暮らしている夢


草々不一